マーケティングでいう“価値”って?
マーケティングでは「お客様にとっての価値」が非常に重要視されます。(マーケティング用語でこれを「ベネフィット」と言います)
「ドリルを売るには穴を売れ」という有名なマーケティングの格言がありますが、この場合は
「ドリルを買う人はドリルそのものが欲しいわけではない。穴を開けたいからその手段としてドリルを買うんだ」
という事を指していて、そのドリルで開ける穴がどのような特徴を持っているかが、他のドリルとの差別化・区別化になるということです。
ドリルを選ぶ理由としては、厳密には穴だけでなく使い勝手や値段など他にも重要な要素はあるのですが、一言で伝えるために簡略化されていると思ってください。
この話をしたのは、価値の作り方・見つけ方について書こうと思ったからです。
あなたが持つ“お客様にとっての価値”は?
顧問先でお話をするとき、まず最初はこれを見つけます。
「他と違うところはありますか?」「他より優れている要素はありますか?」などの質問から始めるのですが、詰まるところ“お客様にとっての価値(=ベネフィット)”を聞き出したいのです。
最初の質問でベネフィットに辿り着く事は、ほぼありません。他と違うところ、他より優れている要素はそのままではベネフィットにはならないからです。
これらをキッカケにしてベネフィットを見つけたり、作り出したりして行くのです。
では、どの様に考えていけばいいのでしょうか?
とことん追求することが“価値”になる。
例を出して考えてみましょう。ここでは「あなた自身」のベネフィットを見つけてみます。
他の人よりも優れている所が“優しさ”だとします。
優しいだけではベネフィットにはなりませんね?優しい人は沢山いるからです。なので、ここで考え方を変えてみます。
あなたの優しさはどんな事に役立つことができるのでしょう?
これは、あなたの置かれた状況や周りにいる人によって変わっていきます。
なんでも良いのですが…例えばあなたが、お酒に強いとしますよね?どんなに飲んでも乱れなく、雰囲気には溶け込みますが冷静でいられるのです。
その2つの強み「優しい」と「お酒に強い」を掛け合わせると「お酒を飲んで愚痴っぽくなった人の話をずっと聞いていてあげられる」という役立ち方ができます。
そうしたら、この役立ち方を追求していきます。
「酔った時に愚痴を言う人は、どういう風に聞いて欲しいんだろう」
「周りにいる人たちはどんな思いをするのだろう」
「席を外して聞いてあげた方がいいのだろうか」などなど、とことん追求するのです。
そこまでやると、飲んで愚痴を言いたい人にとってはあなたは居なくてはならない存在になります。(もっとも、現実的にはこんな奇特な人いないでしょうが 笑)
ニーズやウォンツを探すことの重要性
ここまで考えると気づかれるでしょうが、このベネフィット、愚痴を言わない人には何の役にも立ちません。
多かれ少なかれ、ある事に特化した価値というのは、万人に役立つわけではないのです。
だから“それが必要な人”や“そう言う人がいるなら周りに欲しいかも”という人を探し、出会うことが役に立つために重要なのです。
この探す旅もまたマーケティングなのですが…今回はここで終わります。
皆さんも、自分の価値を探して見てください!